整形外科

当院の機能としては、一般医療機関で治療困難な症例に対応することが第一義と考え、診療に当たっております。そして当院で対応しかねる症例に対してはより高度医療機関への紹介をおこなうようにしています。
当科では大和市整形外科開業医の先生方とともに年3回の合同カンファレンスを行い、病診連携を円滑にすべく努力をしております。当院外来受診の際は一般医療機関の紹介状を持参くださるようお願いいたします。また当院にて入院、外来診療を行い、一般医療機関で治療可能となった患者さん、症状の安定された患者さんには他院での継続治療をお願いしております。当院での治療を必要とする患者さんにより十分な医療を提供するため、何卒ご理解頂きたいと考えております。

診療内容・特徴

1.変形性膝関節症と手術療法

50歳を超えた方が、怪我もしていないのに膝が痛くなった、階段を下りるときに痛む、椅子から立ち上がるときに痛む、正座がしにくくなった……。こんな症状がでたらおそらく変形性膝関節症でしょう。ひどくなると膝に水がたまったり、O脚になったりします。これは関節軟骨が年齢とともに磨り減ってくることによる病気です。残念ながら現在の医学では磨り減った関節軟骨を元の状態にもどすことはできません。そのため、病気の進行をなるべく遅らせ、日常生活を穏やかにおくれるように痛みを減らすことが治療の目的となってきます。
初期の状態では、膝を冷やさない、正座をしない、立ったり歩いたりするのを少し減らすなど、膝に優しい生活を心がけ、消炎鎮痛剤を飲むだけでも痛みを抑えることができます。それでも痛みが残る場合には物理療法や装具の使用、膝にヒアルロン酸ナトリウム(簡単に言えば軟骨の栄養剤あるいは潤滑油の役目をするものです)の注射をするとよいでしょう(継続的関節内注射は勧めません)。ここまでの治療は一般の診療機関で治療可能ですが、それでも日常生活の妨げとなる痛みが取れない場合は手術療法を選択することになります。
変形性膝関節症の手術療法には関節鏡、骨切り術、人工関節置換術などがあります。関節鏡は内視鏡を使って膝の中を直接観察し、痛みの原因となるものを掃除するような手術です。入院期間も短く、それなりの効果があるだけでなく、今後の治療指針にも役立ちます。骨切り術は痛みを減らすという意味では少し劣るものの自分の骨を温存できるという大きな利点があります。人工関節置換術は痛みはよくとれますが、10年ほどで入れ替えの手術が必要になることがあります。もちろんどの手術にも合併症の可能性はありますが、膝の痛みを減らし、穏やかな生活を送るために十分価値のある選択肢といえるでしょう。
膝の痛みが出たら、早めに近隣の医療機関を受診し、消炎鎮痛剤や装具療法、物理療法、関節内注射などを行ってみてください。それでも痛みがとれず、日常生活に不自由するようであれば医師と相談し、紹介状をいただき、市立病院を受診してみてください。

2.腰痛症と脊椎手術

腰痛はあらゆる年齢の人に起こり、わたしたちの生活に支障をもたらします。それでは様々な腰痛にどのように対処したらよいのでしょうか。
腰痛には自宅で安静にして様子をみてよい場合と、すぐに病院に行かなければならない場合とがあります。
安静にすることでよくなる場合は急性のものと慢性のものがありす。一般に急性の腰痛は、中腰で物を持ち上げた時や不用意に腰をひねるなどちょっとした動作がきっかけで起こります。この場合慌てず横になり、痛みがやわらぐような姿勢で安静にすれば、痛みはしだいにとれていきます。痛みが強い時は、横に寝て膝を抱えるようにするか、仰向けに寝て膝の下に枕を置き、膝や股関節を曲げるなど、もっとも楽な姿勢で安静にすることが大切です。 また腰に重苦しい痛みが続く慢性の腰痛は加齢とともに起こる脊椎の変化に加えて、運動不足や生活習慣、姿勢が悪い状態での作業などが原因で起こります。この予防には適度な運動が有効です。例えば腰椎を支える筋肉の強化、腰椎の柔軟性の維持、姿勢の改善を目的とした疲れない程度のウォーキング、水泳、水中歩行などです。
それでは検査や手術を要する腰痛とはどのような腰痛でしょうか。安静にしていても痛みがひかず、だんだん強くなるような場合は脊椎炎、脊椎腫瘍などからくる腰痛と考えられます。また腰の痛みにともない排尿や排便がしにくくなったり、足やでん部に痛みやしびれを伴う場合は馬尾神経、神経根に障害が起きていると考えられます。このような場合にはすぐに医師の診察を受ける必要があります。一般に脊髄(正確には脊髄、馬尾神経、神経根)の障害は不可逆性です。つまりある程度進行すると治療を行ってももとどうりに回復しにくいということです。ですから症状が出現したら症状の軽い早期に治療を始めることが大切です。安静にしてもとれない腰痛、でん部や足にしびれや痛みを伴う腰痛は早めに近くの整形外科を受診し、治療を行い、検査や手術が必要か否かを診ていただいてください。
脊椎の手術の手術適応はとても難しいものです。私たちは手術を行うにあたり以下の最低3つの条件が必要と考えています。

  1. 患者さん本人が日常生活をおくるのも困難な痛みなどの症状がある。
  2. 医師からみて患者さんの訴えに相応する他覚所見がある。
  3. MRIをはじめとする検査で原因が証明される。

手術をして症状が軽くなったという意見がある一方で、辛い思いで手術をしたものの自分が思ったほどよくならなかったという意見もあるようです。手術をすることによる良い点、悪い点、手術をしない場合どういう経過が予想されるか、手術を行った場合最終的にどの程度の回復が期待できるかを医師とよく相談し、現在の自分の症状と比べ判断することが必要です。
また整形外科疾患以外尿路結石や大動脈瘤、肝臓、すい臓、腎臓の疾患などで腰痛がおこる場合もあります。なかなか腰痛が良くならない場合は内科、泌尿器科、産婦人科などを受診することも必要です。

3.変形性股関節症と人工股関節置換術

子供のころの怪我や病気、あるいは老化により股関節が変形し痛みを出すのが変形性股関節症です。初めに関節軟骨が磨り減り、やがて骨も変形してきます。これらの初期は動作の初めの痛みとなってあらわれてきます。たとえば椅子から立ち上がる時に痛んだり、歩き始めは痛むがそのうち楽になってくるなどです。進行すると歩行の初めから痛み徐々に痛みが増して歩けなくなるようになり、さらに進行すると関節の動きが制限されてきます。
人工股関節置換術は変形した関節を取り除き、その代わりに金属とポリエチレンからなる人工の関節を設置する手術です。人工関節手術の最大の長所は痛みが70〜80%とれることです。短所は短期的には感染に弱い、脱臼することがある、手術侵襲が大きいなどです。長期的には緩みが生じるため、入れ替え手術が必要となることがあります。肺塞栓,深部静脈血栓症などの致死的合併症も他の手術に比べ頻度は多いようです。当科では合併症は起こるものなので気にしないということではなく、これらに対する幾つかの対策をもって手術を行っています。また心臓血管外科の医師の協力をいただき、早期発見、早期対応に努めています。
入院期間は1ヶ月ほどです。様々な短所、合併症もあり、入院が長くかかりますが、どうでしょうか。数ヶ月我慢すれば、その後10年以上痛みの少ない生活が送れることを考えれば十分価値ある選択肢だといえると考えます。

医師の紹介

氏名 職位等 卒年 資格等
石田 哲也 診療部長 昭和57年 日本整形外科学会専門医、身体障害者福祉法指定医
杉村 聡 担当部長 昭和63年 日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定スポーツ医、日本整形外科学会認定リウマチ医、日本リウマチ学会専門医、日本整形外科学会運動器リハビリテーション医、身体障害者福祉法指定医
荘 沢亮 担当部長 平成2年 日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会運動器リハビリテーション医、日本体育協会公認スポーツドクター、身体障害者福祉法指定医
村田 淳 医長 平成11年 日本整形外科学会専門医、身体障害者福祉法指定医
竹内 久恵 医長 平成19年  
小澤 祐樹 医員 平成24年  
阿部 奈々 医員 平成26年  

外来担当表

最終更新日:2017年4月26日

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