診療科紹介

大和市立病院小児科について

子どもたちの健やかな成長を願って、小児救急医療、一般小児科外来診療、専門外来診療、入院診療、周産期診療、小児保健活動に取り組んでいます。生まれたばかりの赤ちゃんから中学校を卒業するまでのお子さんの小児内科系疾患を診療対象としています。
小児救急では、大和市24時間365日小児二次救急体制や近隣市町村との小児二次輪番体制に参加し、地域の小児内科救急医療体制の充実に努めています。特に休日夜間においては、地域連携小児夜間・休日診療として近隣開業医の先生方にもお手伝いいただいています。
大和市内で小児が入院可能な医療機関として、年間1,500名前後のお子さんの入院診療を担っているほか、専門外来診療を常勤医師・非常勤医師により行っています。大和市や近隣市町村のお子さんやそのご家族が安心し、また楽しく幸せに子育てできるような小児医療の提供を心がけています。
病院外の活動として大和市3歳半健診、ファミリサポートセンター研修、市内小中学校や保育施設へのエピペン講習会に関わり、また環境省のエコチル調査(子どもの健康と環境に関する調査)の参加施設となっています。
安定した小児医療を持続的に提供できるように、小児科医が疲弊しない働き方や子育て医師の活用、次世代を担う小児科医育成のための小児科専門医専攻医研修、アレルギー専門医専攻医研修にも取り組んでいます。

一般小児外来診療

受付時間:8:30-11:00(診療開始は9:00からになります)
対象年齢:0歳から中学生(卒業の年の3月31日)まで
*病状により高校生以上の方への診療も継続しています
初診の際には、かかりつけ医の先生からの紹介状をお願いしています。 紹介状がない場合にも受診できますが、選定療養費がかかります。

専門外来等

専門外来:小児アレルギー、小児循環器、小児内分泌、小児神経、小児腎、新生児フォロー
健診外来:1か月健診、大和市8-9か月健診、大和市1歳半健診
予防接種外来:基礎疾患をもつお子さんなど予防接種に際して注意が必要なお子さんの接種を対象としています。
通訳外来:スペイン語、ベトナム語の通訳を介しての外来です。

ご紹介いただくにあたって(医療機関の方へ)

当日の受診が必要な急性疾患のお子さんのご紹介に際してはお電話で小児科外来にご連絡ください。
後日の受診でよいお子さんには、紹介状をお渡しし、一般外来の受診をお伝えください。
シナジス外来や新生児フォロー外来をご希望される場合は、あらかじめ担当医(粟生)にご連絡いただくか地域連携科(患者サポートセンター)にご連絡ください。

小児救急診療

24時間365日、二次医療機関として救急車の受け入れや処置・入院が必要なお子さんの受け入れを行っています(明らかな外傷を除く)。
土日祝日・夜間においては大和市地域医療センター休日夜間急患診療所が一次診療に対応しています。大和市ホームページ「休日夜間の救急医療体制」を参照のうえ、適切な救急外来受診をお願いします。

入院診療

6床のNICU(新生児集中治療室)、34床の小児病棟で入院診療を行っています。
原則お預かり入院です。母乳を続ける必要がある乳児や一人での入院が難しいお子さんは、状況に応じて付き添い入院も可能です。
食物アレルギーのあるお子さんに対する経口負荷試験やアトピー性皮膚炎のあるお子さんに対するスキンケアを中心とした入院診療も行っています。
大和市立大和小学校、大和中学校を母体とした院内学級が用意されています。長期の入院で病状が落ちついた際には、学習室やベッドサイドで授業をうけることができます。
高度な医療が必要なお子さんについては、適切なタイミングで高次医療機関へ転院できるように近隣の大学病院や小児専門病院と連携しています。

小児病棟(4階南病棟)の面会について

面会時間:12時〜21時

  • 19時までに入室された場合、最大21時まで面会可能です。面会受付時間は19時までになりますので、19時をすぎると入室できませんので、ご注意ください。
  • 両親、祖父母、高校生以上の兄弟姉妹に限ります。
  • 病室内に入れるのは2名までです。
  • 飲食物の持ち込みはできません。
  • 感冒症状がある方の面会はお控え下さい。

NICUの面会について

面会時間:11時〜15時、17時〜19時(母が4階東病棟に入院中は20時~21時も母のみ面会できます)

  • 両親のみ面会できます。
  • 祖父母は保育器での管理終了後、お一人ずつなら可能です。
  • 15歳以上の兄・姉は窓越し面会が可能です。
  • 必要に応じて、退院後を想定した「長時間面会」を行えます。

施設認定

  • 専門研修連携施設(小児科領域指定)横浜市立大学附属病院小児科専攻医研修プログラム
  • 日本小児科学会専門医支援施設
  • 日本周産期・新生児医学会専門医研修補完施設
  • 日本アレルギー学会アレルギー専門医教育研修施設
  • 小児神経専門医研修認定施設

スタッフ紹介

粟生 耕太

職位

担当部長、科長

卒年

平成12年

専門医資格等

日本専門医機構認定 小児科専門医
日本小児科学会認定 認定小児科指導医
日本周産期・新生児医学会認定 周産期専門医(新生児)
日本周産期・新生児医学会認定 周産期指導医(新生児)
日本周産期・新生児医学会認定 NCPRインストラクター
臨床研修指導医(厚生労働省)

山本 亜矢子

職位

医長

卒年

平成20年

専門医資格等

日本専門医機構認定 小児科専門医
日本小児科学会認定 認定小児科指導医
日本小児神経学会認定 小児神経専門医
臨床研修指導医(厚生労働省)

江原 貴子

職位

医長

卒年

平成24年

専門医資格等

日本専門医機構認定 小児科専門医
日本アレルギー学会専門医

中澤 枝里子

職位

医長

卒年

平成25年

専門医資格等

日本専門医機構認定 小児科専門医
日本小児科学会認定 認定小児科指導医
日本腎臓学会認定 腎臓専門医

青木 優一

職位

医長

卒年

平成28年

専門医資格等

日本専門医機構認定 小児科専門医
日本周産期・新生児医学会認定 NCPRプロバイダー

髙島 博太

職位

医長

卒年

平成29年

専門医資格等

日本専門医機構認定 小児科専門医
日本周産期・新生児医学会認定 NCPRプロバイダー
日本医師会認定 健康スポーツ医

土居 怜奈

職位

医員

卒年

平成29年

専門医資格等

日本専門医機構認定 小児科専門医
日本周産期・新生児医学会認定 NCPRプロバイダー

津島 悠花

職位

医員

卒年

平成30年

専門医資格等

日本周産期・新生児医学会認定 NCPRプロバイダー

大谷 春菜

職位

医員

卒年

令和元年

専門医資格等

日本救急医学会認定 ICLSプロバイダー
AHA認定 BLSプロバイダー
AHA認定 PALSプロバイダー
日本周産期・新生児医学会認定 NCPRプロバイダー

菅野 元

職位

医員

卒年

令和2年

専門医資格等

AHA認定 BLSプロバイダー
AHA認定 PALSプロバイダー

桜井 朋

職位

医員

卒年

令和3年

専門医資格等

日本救急医学会認定 ICLSプロバイダー
AHA認定 BLSプロバイダー
AHA認定 PALSプロバイダー

山本 雅仁

職位

医員

卒年

令和3年

専門医資格等

日本周産期・新生児医学会認定 NCPRプロバイダー

笹原 弘道

職位

医員

卒年

令和3年

主な対象疾患

気管支喘息

気管支喘息とは、気道の慢性的な炎症により敏感な状態になり、ウイルス感染、ダニ・ホコリ、たばこの煙などの様々な刺激が加わることによって突発的に喘鳴や呼吸困難が起こり(=喘息発作)、かつそれが繰り返し起こる疾患です。喘息発作時には、咳嗽、呼吸困難、肩呼吸や陥没呼吸といった努力性呼吸、ゼイゼイやヒューヒューとしばしば表現される喘鳴などの症状がみられます。気道の炎症は症状がない時にも続いており、症状がない時でも炎症を抑えるために内服薬や吸入薬での治療を行うことが重要です。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎とは「良くなったり、悪くなったりを繰り返すかゆみを伴う湿疹」であり、患者さんの多くがアトピー素因(喘息やアレルギー性鼻炎など他のアレルギー性疾患を合併している、アレルギー反応に関与するIgE抗体を産生しやすい体質である)を持っているもの、と定義されています。治療の基本は(1)適切なスキンケア(2)適切な外用薬(軟膏等)の使用です。 湿疹の状態に合わせた外用薬を使用しつつ、適切なスキンケアを継続することで多くのアトピー性皮膚炎の症状改善が期待できます。

アトピースキンケア 日帰り入院

軟膏の塗布の仕方がわからないかたや湿疹のコントロールが不良のかたを対象に、アトピー性皮膚炎の治療の第一歩となるスキンケア(皮膚の洗浄方法、保湿方法、外用薬の使用法)の指導を行っています。

  1. はじめに、現在ご自宅で行っていらっしゃるケアの手技をひとつひとつ、ナースとともに確認していき、改善点を洗い出します。
  2. アトピー性皮膚炎を中心としたアレルギーの知識や、正しいスキンケアのポイントをナースよりご説明させていただき、患者さん一人一人の生活に合わせた対応法をご一緒に考えていきます。
  3. お子さんと一緒に入浴・洗浄から保湿、軟膏塗布までを、病棟で実際に行ってみます。
    (所要時間はおよそ午前10時~午後1時前後となります。)

同じスキンケア用品や外用薬を使用していても使い方次第で、治療効果は大きく変わってきます。アトピー性皮膚炎のお子さんの、日々のスキンケアにお悩みの際は一度ご相談ください。

食物アレルギー

食物アレルギーとは、原因食物を摂取した後に免疫学的な反応を介して生体に不利益な反応(蕁麻疹などの皮膚症状、腹痛・嘔吐・下痢などの消化器症状、咳・喘鳴などの呼吸器症状、血圧低下などの循環器症状、またそれらの複合したアナフィラキシーなど)が引き起こされるもの、とされています。

食物負荷試験(日帰り または 一泊入院)

食物アレルギーの診断を、血液検査や皮膚検査のみで確定することはできません。
食物経口負荷試験は、アレルギーが疑われる食物を実際に食べて、症状を観察する検査です。この検査によって、どのくらいの量を食べたらどんな症状が出るかを、直接確認することができます。症状が出なければ除去の解除が進みます。症状が出た(陽性)場合でも、安全に食べられる量が確認できれば、少しずつ摂取を開始できる可能性があります。

当院では、検査当日、午前中に来院していただき、原因食物を数回に分けて摂取し、午後まで様子を観察しています。症状が無い、または軽い症状のみで症状が改善した場合はそのまま退院とし、強いアレルギー症状を認めた場合は一泊入院として翌日まで経過を見たうえで退院としています。
負荷試験により食物アレルギーの有無をより確実に診断するだけでなく、「この量までは食べても大丈夫」という食品の量(閾値)を知ることができ、食物アレルギーのお子さんの生活の質の向上にもつながります。食物アレルギーでお悩みのお子さんがいらっしゃいましたら一度ご相談ください。

食品名\年度20192020202120222023
鶏卵9894124135115
牛乳5245695451
小麦1622293533
ナッツ類1613272831
魚類103243
ソバ65633
甲殻類52531
魚卵22462
果物22273
大豆24235
その他33491
合計(件)212195274294282

地域の小中学校における食物アレルギーおよびエピペン®講習会の実践

近年の食物アレルギー患者さんの増加を受けて、教育現場においても食物アレルギーへの対応のニーズが高まっています。当院では、各種アレルギー疾患の診察のみならず、大和市内の小中学校において食物アレルギーの出張講習会を実施しています。一般的な食物アレルギーの知識に関する講義にとどまらず、重症のアレルギー反応であるアナフィラキシーの際に使用される自己注射薬「エピペン®」の使用法についても、教職員の方々に実践的な講習会を実施し、食物アレルギーのお子さんが安心して学校生活を送れるよう活動を行っています。

新生児診療

概要

当院は神奈川県周産期救急医療システムの協力病院として、軽症〜中等症の赤ちゃんを中心に、ご自宅と医療機関との橋渡しの役目を担っています。当院に通院していた妊婦さんから出生した赤ちゃんの他、近隣の産科施設で出生し治療が必要な赤ちゃんや、高次医療施設での治療がひと段落し自宅に帰る準備を進めていきたい赤ちゃんなど、NICUや新生児室で診療しています。また退院後の成長・発達についても外来診療をおこなっています。

施設情報

  • NICU 6床
  • 2019年度入院数 128例(近隣産科施設からの搬送 23例、高次医療施設からの搬送 16例)
  • 受け入れ可能週数:在胎34週以降の早産児。(院内管理の場合は在胎32週以降)
  • 面会時間:11時〜15時、17時〜19時(母が4階東病棟に入院中は20時~21時も母のみ面会できます)
  • 両親のみ面会できます。
  • 祖父母は保育器での管理終了後、お一人ずつなら可能です。
  • 15歳以上の兄・姉は窓越し面会が可能です。
  • 必要に応じて、退院後を想定した「長時間面会」を行えます。

NICU退院後の外来紹介について

ハイリスク児の発達フォロー、予防接種およびシナジス投与が必要な赤ちゃんをご紹介いただく場合は、事前に患者サポートセンター(地域連携科)または外来担当医にお電話いただき患者さんのお名前、生年月日、紹介の概要をお伝えください。具体的な受診日時については、患者サポートセンター経由で予約をとっていただくか、患者さんご自身で外来受付にお電話していただき、外来予約をお取りください。
発達フォロー外来:金曜日午後(粟生)
予防接種外来(ハイリスク児のみ):火曜日午後
シナジス外来:金曜日午後

診療実績

年度201820192020202120222023
外来受診患者延数16,79216,06210,98314,50415,11612,960
 新患患者数3,7403,6382,1573,3433,0672,894
 紹介患者数1,7381,6291,0151,5031,5361,894
救急患者数2,4241,9631,2292,0652,5052,482
救急車受入件数6626503585619141,032
 時間内24615390139217233
 時間外416497268422697799
入院患者数1,4881,3888041,1021,3381,518
小児病棟1,3051,2276769501,1661,359
NICU99128103122134138

小児科入院診療実績(2019年度入院症例数)

A.呼吸器疾患

気管支喘息182
肺炎・気管支炎142
RSウイルス肺炎・気管支炎・細気管支炎146
ヒトメタニューモウイルス肺炎・気管支炎・細気管支炎46
マイコプラズマ肺炎・気管支炎15
クループ症候群15
急性上気道炎22
百日咳2
急性中耳炎3
誤嚥性肺炎3

B.消化器疾患

急性胃腸炎88
細菌性腸炎1
ロタウイルス胃腸炎              17
アデノウイルス胃腸炎11
ノロウイルス胃腸炎10
腸重積14
急性虫垂炎3
炎症性腸疾患2

C.神経疾患

熱性けいれん35
けいれん重積24
てんかん23
胃腸炎関連けいれん5
髄膜炎9
急性脳症3

D.循環器疾患

拡張型心筋症1
感染性心内膜炎1

E.内分泌疾患

ケトン血性嘔吐症・低血糖症14
糖尿病性ケトアシドーシス1

F.血液系疾患

特発性血小板減少性紫斑病2

G.腎・泌尿器系疾患G.腎・泌尿器系疾患

尿路感染症46
ネフローゼ症候群1
急性糸球体腎炎2

H.皮膚疾患

皮下膿瘍2
カポジ水痘様発疹症1
ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群3

I.アレルギー疾患

食物アレルギー211
アナフィラキシー18
アトピー性皮膚炎7
乳幼児消化管アレルギー3

J.その他

IgA血管炎7
川崎病39
インフルエンザ感染症36
アデノウイルス感染症8
化膿性リンパ節炎23
組織球性壊死性リンパ節炎2
体重増加不良3
新生児発熱15
麻疹1
手足口病9
乳幼児突発性危急事態1

K.新生児疾患

早産児・低出生体重児59
新生児高ビリルビン血症26
新生児呼吸障害26
新生児感染症4
新生児仮死7
新生児消化器疾患6
先天性心疾患8
新生児消化管アレルギー1

(重複あり)

最終更新日:2024年5月29日