診療科紹介

当科は日本呼吸器学会と日本アレルギー学会の認定施設であり、専門医が各疾患のガイドラインに基づいた診療を、科内のカンファレンスにて患者さんひとりひとりに適するように検討しながら行うようにしています。

スタッフ紹介

井上 聡

職位

担当部長
感染管理科長兼任

卒年

平成3年  横浜市立大学医学部 卒業
平成12年 横浜市立大学大学院医学研究科 修了

専門医資格等

日本内科学会認定 認定内科医・指導医
日本医師会認定産業医
臨床研修指導医
難病指定医
医学博士

片 佑樹

職位

医長

卒年

平成24年 福井大学医学部 卒業
令和5年  横浜市立大学大学院医学研究科 修了

専門医資格等

日本内科学会認定 総合内科専門医・指導医
日本呼吸器学会認定 呼吸器専門医・指導医
日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医
日本呼吸器内視鏡学会認定 気管支鏡専門医
日本がん治療認定医機構認定 がん治療認定医
身体障害者福祉法指定医(呼吸器機能障害)
臨床研修指導医
難病指定医
医学博士

平馬 千聡

職位

医長

卒年

平成27年 群馬大学医学部 卒業
令和4年  横浜市立大学大学院医学研究科 修了

専門医資格等

日本内科学会認定 認定内科医
医学博士

高安 宏和

職位

医長

卒年

平成29年 徳島大学医学部 卒業

専門医資格等

日本専門医機構認定 内科専門医

瀬川 渉

職位

医員

卒年

平成31年 熊本大学医学部 卒業

専門医資格等

日本専門医機構認定 内科専攻医

主な対象疾患

(下記以外の呼吸器疾患の診療も行っています)

肺癌

初期の肺癌は症状がありません。健診等で異常を指摘された時は、精密検査が必要です。当科では高分解能CTで病変の位置、性状を調べ、気管支鏡検査(またはCT下肺生検)で確定診断を得るようにしています。さらに、腹部CT、頭部MRI、PET(他院へ紹介)、骨シンチなどで病変の広がり(病期)を確認し、体力や年齢などを考慮した上で 呼吸器外科医や放射線科医と協力して治療方針を決定しています。病期Ⅰ、Ⅱでは手術療法を優先します。病期が進み手術が適さないと判断された場合は、放射線療法や薬物療法を行います。EGFR遺伝子変異やALK融合遺伝子が陽性の場合、分子標的薬を検討します。治療効果の向上が予測されるバイオマーカーを腫瘍組織から同定した場合は 免疫療法(免疫チェックポイント阻害薬)の適応も検討します。薬物療法は 安全性確保のために初回は入院で行いますが、2回目以降は外来の化学療法室で行うことが多くなっています。

間質性肺炎

比較的まれな疾患で 咳症状や健診などで発見されることが多いです。臨床症状の特徴、組織学的、CT画像パターンなどで10種類以上に分かれますが、診断・治療法を確定するために気管支鏡検査を行うこともあります。医原性、環境性、膠原病または原因不明でステロイドや免疫抑制剤の効果が期待される場合には、入院または外来で慎重な経過観察を行いながら治療を進めていきます。原因不明で起こる特発性間質性肺炎では、臨床的に長い経過を辿るので、それぞれの患者様の環境に合わせた、最適な日常生活が送れるような治療を行っていきます。場合によっては在宅酸素療法の導入を提案させて頂く場合もあります。

気管支喘息

気温、気圧など自然環境に影響を受けやすく、日常生活に大きな影響を与える疾患です。一般的にはアレルギー疾患のイメージが定着していますが、実際は呼吸機能が正常である時でも弱い炎症反応が慢性的に持続しており、日常の維持療法継続が非常に重要です。診断は呼吸機能検査、気道可逆性検査、呼気NO検査、血液検査、胸部レントゲンなどで行います。生物学的製剤を含め 治療は国際ガイドラインに沿って行います。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)

喫煙がCOPDの原因のほとんどを占めています。タバコの煙や汚染された大気が気道に弱い炎症反応を惹起し、中枢気道の慢性炎症や末梢気道における肺胞破壊が起きます。煙刺激が長期間続いた場合、これらの変化は自覚症状なく不可逆的に進行し、やがて咳痰、歩行時呼吸困難を自覚するようになります。自覚症状を軽減するために気管支拡張薬の吸入、去痰剤投与などを行います。

ACO

COPDと気管支喘息の両方の病態がオーバーラップした状態で、喫煙などによる肺機能低下とアレルギーなどによる変動性・発作性呼吸症状が慢性的に続いていく疾患です。治療は吸入薬が主体ですが、気管支喘息やCOPDと病態が非常に類似ており、これらの疾患との鑑別が重要となります。呼吸機能検査、画像検査、血液検査などで病態を正確に診断したうえで治療を進めていきます。

肺炎などの感染症

肺炎は年齢に関係なく起こり得るもので、基礎疾患の有無により原因となる病原微生物(肺炎球菌、インフルエンザ菌、緑膿菌など)は多岐にわたります。症状は発熱、呼吸困難、食欲低下など様々ですが、胸部レントゲンや血液検査などで、入院の可否も含めて適切に診断を行います。当院は2021年からは新型コロナウイルス感染の重点医療機関に指定されました。現在の世界の標準治療を確認しながら、高度医療機関と連携して効果的な治療を推進していきます。

肺結核

昭和初期には致死率の高い難治性感染症でしたが、治療薬開発とともに致死率・罹患率は激減しました。現在は標準治療も確立されており、症例数は低いままで経過しています。喀痰塗抹で陽性なら空気感染を防ぐために結核病棟(他院)での入院隔離が必要ですが、陰性の場合には当院の外来での治療も可能です。また濃厚接触者に対する結核予防投与も行っています。

非結核性抗酸菌症

健康診断のレントゲンで指摘されることが多い疾患です。種類によっては内服治療効果も期待できるので、原因菌の同定、薬剤感受性の確認が重要です。喀痰検査、気管支鏡検査などで診断、治療を行っていきます。

診療実績

治療

年度20182019202020212022総計
放射線治療730331125106
化学療法3642281837161

検査

年度20192020202120222023総計
気管支鏡検査2051298389137643

最終更新日:2024年6月11日